タバコを我慢することで禁煙は可能か
執筆者:薬剤師 吉井圭祐
喫煙者にとって、現在の喫煙環境は非常に厳しいと感じているのではないでしょうか。一方で、健康面や歩きタバコが多くの人々に懸念されるようになり、以前は電車の中や駅のホーム、街中でもたばこを吸えていましたが、現在では吸えない状況となっています。
私は以前タバコを1日に20-25本吸っていましたが、8年前に風邪で喉が痛くなったことを契機にタバコを止めました。実を言うとタバコを止めることができるなど思っていませんでした。私は当時、風邪で喉が痛くなろうが、頭が痛くなろうがタバコはやめませんでした。しかし、タバコを止めた当時の私は、不意に風邪で痛めた喉を考慮し、その日の仕事終わりからタバコを意識的に毎日2-3本ずつ減らしていきました。その後、数か月経過したのちに気が付いたらタバコを吸わなくてもよい体に変化していました。特に我慢をしておらず、タバコを吸いたいときには吸っていましたが、喉の痛みが思った以上に長引いたせいで1日に吸うタバコの本数が少なくなっていたことが要因かもしれません。
禁煙してから、私にとって一番変化したと思うのは嗅覚です。数か月後に甘い考えで昔の友人から貰いタバコを1本頂き、口元に持って行ったところ、タバコの臭いによって鼻がむずむずして強烈な吐き気を催し、友人にタバコを返しました。この時に初めて、タバコを吸うことが体にとって悪いものだと自覚しました。 |
タバコを止める方法を友人によく聞かれることがありますが、具体的な方法を取ったわけではありません。私にとって8年前は薬剤師になった年で、医療人になったのだからタバコは止めないといけないなぁと思っていました。禁煙の意識を堅固に有していた訳ではなく、漠然とぼんやり頭に入れていただけです。
ここからは根拠の無い私的な考えになりますが、結局のところ喫煙者にとって禁煙に対する我慢は長く続かないと思っています。例えば、ご自身の入院や大病を患ったことを契機として禁煙を完遂できる方がおられるでしょうが、このように大きな変化がない限り一般的には禁煙は難しいと思います。ただし、それでも禁煙を望みたいと考えておられるようならば、薬剤師として推奨したいのは禁煙補助剤です。ドラッグストアで購入できるものでもよいですし、診療所や病院などの禁煙外来を受診するのもよい手だと思います。ぜひ、禁煙を考えておられる方は下記に近隣の医院さんの住所を載せておきますので参考にしてみてください。(ファイザーホームページ内・すぐ禁煙.jp禁煙外来・病医院を探すより検索)
●こばし医院 〒700-0086 岡山市北区津島西坂2-2-2
●森脇内科医院 〒701-1152 岡山市北区津高712-1
●岡山医療センター 〒701-1192 岡山市北区田益1711-1(水曜日のみ)
禁煙補助剤の例