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肝臓週間と日本肺炎デー

肝臓週間と日本肺炎デー

 執筆者:薬局長 柴田隆司

 

 世界保健機関(WHO)が、世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を“世界肝炎デー”とすることを決定。日本においても同日を”日本肝炎デー”とされました。従来の肝臓週間は7月28日を含む週の月曜日から日曜日とし、肝疾患の啓発活動および肝炎ウイルス検査の受検勧奨が行われています。

 

 

 肝臓が炎症を起こした状態の「肝炎」には、非ウイルス性とウイルス性のものがあります。

 非ウイルス性肝炎としては、お酒の飲みすぎで肝臓が炎症を起こす「アルコール性肝炎」、体に合わない薬でアレルギー反応をおこす「薬剤性肝炎」、免疫が異常をおこして自己を破壊してしまう「自己免疫性肝炎」などがあります。

 

 日本では、年間約4万人が肝臓病で亡くなられ、大半の約3万5千人は肝がんによるものです。現在、慢性肝炎ウイルス感染者(B型肝炎、C型肝炎)は、300~370万人いると推測されております。肝炎ウイルス検査をできるだけ早く受けて、医療機関で適切な治療を受けることにより、肝硬変や肝がんなど深刻な症状への進行を予防できます

 B型肝炎では、成人の感染経路はキャリアのパートナーとの性交渉などの接触(水平感染)が大部分です。C型肝炎はピアスの穴あけ、入れ墨(タトゥー)や不適切な薬物の回し打ちなどで感染する方が多いようです。どちらも、症状として、全身倦怠(けんたい)感に引き続き食欲不振、悪心(おしん)・嘔吐(おうと)などの症状が出現することがあります。これらに引き続いて黄疸(おうだん)が出現することもありますB型肝炎では症状が出ないまま治ってしまう場合があります。これは不顕性感染とされます。また、C型急性肝炎では、A型あるいはB型急性肝炎に比べて症状が軽いため、ほとんどの人では自覚症状がないと言われています。

 

 

 ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスに感染することで肝臓の細胞が壊れていく病気で、A型肝炎、E型肝炎(飲食で感染)、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎(血液や体液を介して感染)があります。

 肝炎のウイルスは肝細胞に侵入し肝細胞が破壊されます。免疫が働き始めると、ウイルスの居る肝細胞を破壊してしまうため、肝機能が一時的に低下します。この状態が急性肝炎です。A型、B型、E型肝炎ウイルスによるものが多く、主症状は熱、全身倦怠感、黄疸などです。慢性肝炎は、ウイルスと免疫との戦いが繰り返され、肝臓の細胞が破壊され続ける状態です。B型、C型肝炎ウイルスによるものが多く、長期間にわたり軽度の肝障害が続きます。肝細胞の再生が不十分になると、肝臓が徐々に繊維化して肝臓が硬く小さくなって肝硬変になります。そして肝がんに進行する可能性が高くなります。

 

 

参考:

B型肝炎Q&A(概要版)-日本医師会

C型肝炎Q&A(概要版)-日本医師会