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防災

防災

 

執筆者:薬剤師 吉井 圭佑

 

災害時に我慢できるものは何でしょうか、そして我慢できないものは何でしょうか。

・おいしいごはんや温かいごはんが食べたい。

・泥や粉塵などを落とすためにお風呂に入りたい。

・災害のない安心できる場所で眠りたい。

・お腹が痛いので排便したい。

 

など上記のように人々は災害時において多くの“やりたいこと”を望み、我慢します。

 

一方、多くの“やりたいこと”の中でも睡眠と排泄(特に排便)は一時的な我慢はできても長時間の我慢をすることは非常に難しいものがあります。

災害時における準備物の中でも比較的、人々が我慢することが難しい睡眠と排泄に関するコラムを届けたいと思います。

第1回は睡眠に関するコラムです。

 

~睡眠~

 災害時における睡眠の質を向上させるには枕や敷きマットが重要でしょう。人によっては寝袋もよいかもしれません。災害時における睡眠グッズはキャンプ用品がおすすめです。

 

1.敷マット

避難する場所によっては体育館や公民館などの堅い木材の上や、段ボールで作られた台座で生活を強いられる可能性があります。人によっては気にせず眠りにつく方もおられるでしょうが、そのような場所に毛布などを敷き詰めたとしても眠りにつくことは容易ではありません。特に緊急を有する避難を強いられる際に、重くて厚みのあるマットレスを持ち運ぶことは現実的ではありません。

 

災害時の敷マットで重要なポイントは「軽くて持ち運びができる」です。身近なものでお勧めは、キャンプ用の敷マットです。昔からキャンプをやられている方々ならご存じだと思います(私も20年以上前に、ボーイスカウトのキャンプで良く使っていました)。表面が銀色、裏地が青色のスポンジで出来ていてクルクルとロールケーキのように収納するタイプの敷マットです。ただ、今のキャンプ用の敷マットは折り畳み式のものや空気を入れるものなど様々で購入を考えておられる方はご自分の予算や使用感と考慮しながら選択するとよいでしょう。

 

2.枕

 枕も敷きマットと同様に、睡眠の質を向上させるアイテムとして非常に有益な物品です。自分専用の枕がないと眠れない方も多いのではないでしょうか。枕に関しては比較的軽く持ち運びに関しては問題ないものも多いと思います。しかし、自宅にあるような枕は体積が大きい分、避難時の荷物を圧迫する可能性があります。なるべく持ち運ぶ際には体積が小さく、使用する際には体積が大きくなるような枕を選択すると災害時には便利かつ有益であると思われます。

 

 枕に関しても、キャンプ用品は優秀であり、敷きマットと同様に様々なタイプの枕が発売されています。20年以上前から自分で息を吹きかけて空気を入れて膨らますタイプの枕は発売されていました。私が使用していたキャンプ用枕は自宅で使用するようなふかふかな枕とは異なり、ビニール製のゴワゴワした枕だったこともあり、睡眠の質を向上させるものとはいえるものではありませんでした。

 しかし、現在では専用のバルブを開くと自動的に空気が入って膨らむタイプの枕や表面生地が優しいタイプの枕など発売され、睡眠の質を向上させる製品が発売されています。

 

 体育館や公民館だけでなく、車で夜間を過ごす場合もあるでしょう。その場合は飛行機等、長時間座席で仮眠を取る場合に使用するネックピローがおすすめです。ネックピローに関しては主に車での仮眠等で必要な場合が多いため、車に積んでおくのもよいでしょう。

枕に関しても様々な種類が発売されていますので、時間のある方は仕様や質感などを確認して購入するとよいでしょう。

 

しゅうじつ薬局では、オリジナル非常持ち出し袋を考案し、懐中電灯などの主品目をお持ちであることを前提にサブバックとして提案しております。

薬局の一角にコーナーを設置しております。

単品での購入も可能でございますので、薬局スタッフまでお声掛けください。